Rubyが好きなプログラマーの日記。日々の生活、開発に関するメモとか考えとか。
クジ運の無い皆様、こんばんわ。 滅多にないクジ運を全力投入して当選したので、ガッツリ最前列で話を聞いてきました。
訳者の吉羽さんと原田さんのプレゼン、そしてカンバンを全社的に使っているヴァル研究所の新井さん、訳者の方々のパネルディスカッション*1に最後はワークショップ、更に途中で と が付いて無料のイベントですから驚きです。オライリーさん、まじオライリーさん。
要するに、控えめに言って、業務を改善したければカンバンによる見える化が最強ということです。
カンバン仕事術の手っ取り早い読み方と、どうやってカンバンで見える化するプロセスと応用についての話でした。 もちろん書籍にはより濃密に書かれているのですが、本書を読んだあとに軽く振り返るのにとても良さそうな資料になってると思います。
僕が一番好きなのは、プレゼンのタイトルにも含まれてるし、書中でも最初に出てくる
始めるのをやめて、終わらせることを始めよう
です。ほんと、これが全て。
簡単なゲームを通して、本当のカンバンとは何なのか?という衝撃的事実*2の話でした。
やったゲームはこんな感じ。
なので、右端の人が1個取られると、全体が動き出すという仕組み。 こういった仕事の流れはプル型のワークフローと呼ばれるもので、モノが必要となった時に必要なものを生産する方式です。テンポ*3良く1個ずつ右へチョコレートを渡していく中、突然のルール変更。それは、
というもの。1個ずつ渡すには遠すぎる距離になったため、テンポが崩れ、5番目の人の後に待ちが発生しました。ここで登場するのがレジャーで利用する何の変哲もないプラスチック製のカップが2つ。このカップにある程度貯めて、距離の開いた4番目と5番目の間でやりとりをします。そうするとテンポがまた生まれる。
で、この中で何がカンバンなのか? てっきり自分はチョコレートがタスクであり、そこを流れていくこの全体のフローがカンバンなのだと思っていました。 ですが、途中で出てきたプラスチック製コップが実はトヨタ生産方式で出てくるカンバン。そして、今我々がカンバンと言っているものとトヨタ生産方式のカンバンは異なるものということで衝撃を受けたわけです*4。
今回のこのゲームだと完全なpull型なのでWIP制限などいらず、無くなれば作る、をくりかえせば良いのですが、普段のソフトウェア開発はpush型なのでWIP制限が必要になる。 というところから自分の理解が追いついていかなくなった… 分かっていないけれど、制約理論、そして途中で紹介していただいた下記の書籍を参考にすると良いそうです。
開発部門全体で、ではなく全社です。 総務でカンバンをKPTで使っているというお話は、昨年のXPまつり2015のLTで聞いたのですが、非常に良い取り組みだと思いました。 ヴァル研究所さんの事例は、単に見える化しただけでなく、そこから仕事を楽しくしていったところが素敵です。 付箋を千羽鶴にしていったり、絵を書き込んで行ったり、ニコニコカレンダーのステータスが揃ったらラーメン食べに行ったりなど、ちょっとしたことかもしれませんが業務の達成感だけでない楽しさを生み出しています。また、そこに女性が活躍しているところも良い職場の雰囲気であることを感じます。
「俺ら訳者だけど、なんか質問ある?」といった感じで、普段コンサル頼んだら忙しくていつになったら相談できるのかわからないくらいの人たちを、その場で独占(?)してQ&A形式で行われました。ファシリテーターは角さん。
13章に出てくるドットゲームを5〜7人のチームに分かれて実際にやりました。 どんなゲームかは書籍を買いましょう。このゲームを通してわかるのは、WIP制限を設けることでチームの処理能力が格段に変わるということです。 個人的には、自分が担当したのがひたすらに出来上がる成果物の時間を測ることでして、どういった変更やメンバーの気づきを見ながら、タイムが改善されていくのを目の当たりできたのが面白かった。見える化したら、メトリクスが出来るようになるし、それがあるからフィードバックもできるんだなぁ、と。
かつて電子ツールから物理のカンバン(スプリントボード)に移行したときのことを考えると、チームの状況や本当にやることややらなくていいことが見えるようになったのはとても良かったのを覚えています。 カンバン仕事術は、それを思い出させてくれるし、どのようにしてワークフローを導き出し、タスクを完了にまで流す力学の原理が書かれています。ですので、まだ物理のカンバンを試していない人も是非手にとって読んでみてください。
カンバン仕事術で見える化ができたら、それをもっとカスタマイズしたくなるはずです。 そんな時にはアジャイルコーチの道具箱という本がありますので、そちらも御覧ください。