Rubyが好きなプログラマーの日記。日々の生活、開発に関するメモとか考えとか。
主人公の恵美が小中高校生の生活の中で「友達」にまつわる短編集。 普通の女の子だった恵美が、交通事故により松葉杖を必要とする体になってしまうことから、それまでの周囲の環境が一変し、それまでの「友達」の希薄さを感じ始める。それと同じ時期に、病気がちでほとんど学校に来れない由佳とあるきっかけから友達になる。性格がまるで違うけれど、ずっと二人で過ごしていく中で、本当の「友達」の意味を見つけていく。すべての話が恵美を主人公としたものではなく、同級生や恵美の弟、先輩や転校生などを主人公として、それぞれが持つ「友達」の意味と、恵美と由佳の「友達」の意味との違いが描かれている。それぞれの話は、どれも誰もが過去に少しは感じたことのあるような話だった。ちょっとした喧嘩から素直に謝れない状況や、誰とでも仲良くすることに気を取られて安心できなかったり、後輩に追い抜かれる先輩、など。それぞれの話で、「○○という立場(や人間関係)ならば、□□であるべきだ」といったような思い込みが出てくる。例えば、「友達ならいつも一緒にいるものだ」や「先輩なら後輩よりも優れてなければいけない」といったように。特に友達については、恵美が少しずつ明かしていく友達の意味がすごく印象に残る。 最後は悲しさと嬉しさの混ざった終わり方だけれど、美談っぽさがなくリアルな終わり方に感じた。